#231 / 小樽市 小樽高野山 日光院

小樽市 金比羅大本院の穴滝八大竜王とそっくりな像がある。

住所
〒047-0033 北海道小樽市富岡2丁目22−22
緯度、経度
43.197440, 140.989909
※あくまで目安であり正確な情報ではない場合がありますのでご注意ください
由来

調査中

参考資料・情報など
現地確認状況
確認済 2020/6/14
その他

#230 / 小樽市 金比羅大本院の住職に教えていただいて立ち寄る。 なるほど確かに小樽駅の裏の方の坂の上、ぼんやり描いた通りの場所にあった。駐車場から坂を上がって早速八大竜神と同じ碑、そして赤岩の文字が彫ってある石碑が目に飛び込む。 お寺は立派で新しい。きれいすぎてそわそわしてしまう。高台から小樽の町が見えるのだが、きれいすぎて落ち着かない。 像の周り、石碑の周りをうろうろとする。 昼を少し過ぎたところ。タイミング悪くて申し訳ないと思いつつ、ブザーを押して目的を伝える。 女性の声で応答がある。その後すぐに若い僧に案内されて中に入る。 中はさらにきれいで落ち着かない。何しろ撮影用の三脚を背負い、穴滝を歩くためのやや山歩き用の服装。 綺麗なところには似つかわしくないいでたちで申し訳ない限り。 とはいえ、やはり像のことが気になって仕方がないし、躊躇するより飛び込んでから考える。 なるべく相手に粗相のないように。

まもなく住職がお越しになる。 自分と同じか少し上か。 落ち着いた物腰。 話慣れた口調で、像の由来、赤岩との関係を教えてくださる。

とてもびっくりしたのが、像がそもそもは穴滝講のためにつくられたものと開口一番教えてくださった。びっくり。 なんと像は似ているどころか強大だったのだ。 こちらの像は軟石でできた像。それが講員にとっては看過ならなかったようで、御影石で再度同じ像を作って金毘羅さんに納めたのだという。 そして軟石バージョンがこちらに縁あって設置されることになったというのだから驚いた。 確かにこちらの像の肌つやは札幌南区真駒内の龍神像と似ている。

もう一つの大きな疑問、赤岩との関連についても丁寧に教えてくださった。 こちらの院の開基をした高野山の修験者である鷹尾了範がそこには深く関わっていた。

日光院は北海道布教のために来道した鷹尾了範を開創として高野山から名義移転したのが始まりの高野山真言宗のお寺である。 こちらの公式と思われるWebサイトに詳しく記載されている。 小樽高野山 日光院。 その鷹尾了範が修行のためにこもったのが赤岩であり、そこで掘られた弘法大師像が赤岩神社に今もあるという。 「東の定山、西の了範」という記述がとても面白い。定山渓を拓いた僧と並び称される法力、興味深い記述である。

こちらの院はfacebookでも丁寧な記事をuploadされていた。 赤岩に関連するものをいくつかリンクしておく。 現代的な布教活動として素晴らしい取り組みだと感じた。

帰ってから調べてみたところ、日光院と赤岩との関係はこちらの内容が詳しい。 住職とのお話の際にも関西から訪ねてきた学生さんがいたとおっしゃっていたのはこの方かもしれない。 「関西学院大学 現代民俗学 島村恭則研究室」ゼミのblogだが、小樽のリサーチなどもされていて、貴重な資料をWeb上に公開されている。 ありがたいことです。

「小樽における修験道」

https://shimamukwansei.hatenablog.com/entry/20110214/1297664943

要約すると、明治20年に布教に訪れた鷹尾了範が翌年に信者数名を従えて祝津村を訪れ、赤岩で修行をした。 その際弘法大使像をノミで彫り、それが赤岩神社に安置されているという。その後、鷹尾了範は修行を終えて一度小樽を離れている。 その後明治24年に鷹尾了範は、景気の良かった小樽に高野山にあった日光院を小樽に移し、大師堂にお寺を開いた。 それが日光院の始まりだという。

貴重なお時間をいただいてじっくりを話を聞かせていただいた。多謝。 脳に酸素が回らなくなってきたので小樽図書館がある小樽公園にて昼食を食べる。 もちろんここでもシングルバーナーでお湯を沸かして簡単調理。 感染リスクなく、極力迷惑をかけず、気持ち良い日差しと眺めを独占してベンチでゆっくりとくつろいだ。 この後厳戒態勢の小樽図書館にて、やっと「赤岩今昔物語 」を見ることができた。 なるべく急いでコピー機で主要なページを複写。 赤岩は近隣で最大の修験場として民間信仰が盛んであった。 近々まとめたい。 青森弘前の赤倉山をほうふつさせるほどの量に感じた。 この日の目的を終えて朝里経由でゆっくりと帰宅。 バイクのヘッドライトのロービームのライトがいつの間にか切れていた。 ハイビームでゆっくりと。一日走ってもガソリンは300円もかかっていない。 財布にやさしい乗り物。お尻が痛くなった。

関連:#229 / 小樽市 穴滝

関連:#230 / 小樽市 金比羅大本院(滝穴信仰)

関連:#004 / 小樽市 赤岩山 白龍神社

関連:#092 / 小樽 大蛇を殺した娘

更新履歴
2020/06/15 その他追記
2020/6/14
2020/6/14
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2020/6/14
2020/6/14
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2020/6/14
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