#219 / 汐首岬 観音堂の龍神像

汐首岬 観音堂の龍神像

住所
函館市瀬田来町 恵山 国道
緯度、経度
41.710309, 140.968635(汐首岬)
41.717384, 140.951745(汐首地蔵堂)GoogleMap
※あくまで目安であり正確な情報ではない場合がありますのでご注意ください
由来

明治二十一年頃、下北から来たという「大間の坊さん」と呼ばれた修行僧が持って来た竜神像を、観音堂に祀り、これを祀ってから鰮の大漁が続いたので、竜神堂とも呼ばれるようになり、円空観音と知らない村人たちは、後から祀られた竜神像を本尊と考えるようになった。観音様にとっては、新入者の竜神さんに「ヒサシを貸してオモヤを乗っ取られた」形になり、住居の名までも竜神堂と呼ばれ、憤慨(ふんがい)していたものと思う。観音堂の観音様が地蔵堂に間借りしたため、現在は地蔵堂と呼ばれている。地蔵堂には、観音、地蔵、竜神が同居して、何れが本尊かアイマイな状態で祀られているのである。

 昭和三十六年七月、信仰者たちが、焼けこげている円空観音を修理することになり、函館市の仏壇屋に依頼して修理した。円空仏と知らない仏壇屋は、顔や頭に手を加え、全身にうるしを塗り、その上に金泥を塗り、円空仏の特徴を失わせてしまった。誠に残念なことである。背面に円空銘などもあったのではないかと推定される。円空仏の修理費として七千円支払った。同時に竜神像も修理させ、この修理費として六千円支払った。

戸井町史編纂委員会/編「戸井町史」1993/3 戸井町(亀田郡) 戸井町役場
参考資料・情報など
戸井町史
戸井町史編纂委員会/編「戸井町史」1993/3 戸井町(亀田郡) 戸井町役場デジタルアーカイブ
北海道縁起物語
小林成光「北海道縁起物語」1992/5/1 有限会社 小林興業社
現地確認状況
2019/9/15 確認済み
その他

穴澗龍神社から函館市内を通ってお土産を買うために金森倉庫に立ち寄る。 連休の中日、人込み。外国人。コスプレの人。函館で観光客らに支持されているラッキーピエロに列。ラッキーピエロは華僑を親に持つ人が作った店だと帰ってからわかった。 そこから車を走らせて汐首岬へ。前日宿泊した湯川温泉郷を通り過ぎる。思ったよりもそこから距離があった。 次第に街から離れる。軽トラックが多く走る漁師町の風景。海にへばりつくようにある家々だが、北海道の中でも北のほうよりも少しその表情が穏やかに見える。 道を歩いている人は高齢者が目に付く。 海は穏やかで津軽海峡をはさんで青森が見える。 函館と青森はまるで湖をはさんで対岸にあるようにも思える。津軽文化圏として函館と青森との民間信仰に共通点がみられるのもうなづける。

汐首灯台が道路脇の高台にあった。車をすぐそばの空き地に止める。 民家がちらほら点在はしているものの、人の気配は多くない。 本数が少なそうなバス停にバスを待つ女性の姿があった。 連休で実家に帰ってきたのだろうか、黒を基調とした服装は周囲の景色からは少し浮いてみえた。

灯台に向けて階段を登る。下ってきてから気がついたが、灯台は立ち入り禁止と海上保安庁による記載があった。 手入れされていて、上りやすく5分ほどで灯台についた。 高台から見ると、眼下には津軽海峡、そして本州がさらに近く見える。 北海道と本州とが最も近い場所から見ると、手が届きそうな距離に思えてくる。 吹いている風はどこを通って何を運んできたのだろうか。夏の終わりに吹く風は心地が良く、上り坂でうっすらにじんだ汗をさらっていってくれる。 短い時間でレンタカーを借りて走り回った青森にまた行きたくなった。行かないといけない。 灯台の周りには何かが立っていた土台はあったものの、観音堂とわかるものは何もなかった。 帰ってきてから確認すると、写真をほとんど撮っていなかった。その必要がなかったのかもしれない。

車に戻って汐首の地蔵堂に向かった。一瞬ためらったが、国道から山側へのびっくりするぐらい道幅が狭くて急な道を車で登る。 コンクリートに石が埋め込まれているその道は、地元の人が自力で作ったような雰囲気がする。何の変哲もない自動車でも坂を何事もなく登ってくれる。 左折する地蔵堂への道はさらに狭く、両脇から雑草がはみ出ていたので直進して公民館のような場所に車を止める。 数百メートルで目的の地蔵堂についた。建物の脇にいくつかの石が大事に飾られているものの、龍神像はそこには見当たらなかった。 もっと事前に調べてからくるべきだったと悔しがっても時遅し、次回までの宿題にして散策して予定より大幅に予定より遅れた家路を急いだ。 (2019/09/19)

更新履歴
2019/08/30 記載
2019/09/19 その他記載、写真掲載
2019/09/15
2019/09/15
2019/09/15
2019/09/15
2019/09/15
2019/09/15
2019/09/15
2019/09/15
2019/09/15