#172 / 江別 越後沼湿原 龍神

江別 越後沼湿原 龍神

住所
江別市江別太
緯度、経度
43.109761,141.5990708
※あくまで目安であり正確な情報ではない場合がありますのでご注意ください
由来

資料整理中(2018/8/28)

参考資料・情報など
越後沼研究会
越後沼研究会 » 立地環境 -越後沼と越後沼湿原-
ぴかりんの頭の中味
【社】泉の沼神社(江別・江別太) - ぴかりんの頭の中味
「写真集 えべつ 風のまちの歴史」
発行責任者 松下勝芳 編集責任者 石黒勇平「写真集 えべつ 風のまちの歴史」1982 社団法人 江別青年会議所
「江別太郷土史」
江別太開基百年記念事業協賛会(記念誌部会ー部長 丸山朝一郎)編集委員長 桟敷新松(執筆・編さん 高間 和儀)「江別太郷土史」1985北通産KK
「えべつの歴史=第2号=」
江別市教育委員会「えべつの歴史=第2号=」1997 (株)アイワード
「えべつの歴史=第5号=」
江別市教育委員会「えべつの歴史=第5号=」2000 (株)アイワード
「えべつの歴史=第9号=」
江別市教育委員会「えべつの歴史=第9号=」2007 (株)アイワード
「榛の木藪」
田井 ハル「榛の木藪」1982 三栄プロセス株式会社
現地確認状況
訪問済み
その他

その日は最近では珍しく早朝目が覚めた。新聞配達の車を横目に家を出て、豊平川沿いのサイクリングロードを下った。12号線との合流地点にある豊平橋から川沿いを外れて白石方向にペダルをこいだ。後から地図で調べてみると、この橋はヨコヅナクマムシ発祥の地と記されていた。その名の通り熊の姿に似たコケの中に生息していたとても乾燥に強い小さな小さなクマムシの新種が発見された場所のようだった。そんなことは露知らずに自転車を走らせて白石から始まるサイクリングロードに入った。自転車の荷台に括り付けた三脚の締め具合が甘かったようで終始カタカタと鳴り続けていたが、止まって直す気になれずにそのままの状態で北広島近くのサイクリングロード用の道の駅でやっとベルトを締めなおした。この日が桜の季節以来、二度目の走行となった正式名称「道道札幌恵庭自転車道線」、通称「白石こころーど」、旧名「白石サイクリングロード」は朝早かったこともあり人もまばらでとても走りやすかった。

快適に飛ばして自転車の駅にて小休憩。長袖を着ていても肌寒いぐらいで北広島駅にて一枚長袖を増やしてペダルをこぎ続けた。北広島から江別への道のりは、南幌町の田園地帯を通るのどかな道道を20キロほどの道のり。車通りもほとんどなく、アップダウンもほとんどないのどかな道を追い風でペダルをこがなくても進んでいく。道路沿いの旗のはためき具合を確認して、帰りの向かい風を憂いながらも目的地に近づいていく高揚感がその不安を忘れさせてくれる。

高速道路にぶつかって、それの側道を十分程度進むとついに目的地付近。江別に到着。広大なたまねぎ畑で収穫作業をしている農夫を確認することができる。越後沼に到着。自転車を脇に止める。9時過ぎ。片道3時間程度で到着。自転車を立てかけて一息ついて、幹線道路から見えないように茂みに近づいて小用をたす。帰路、その報いをしっかりと受ける。

すぐに鳥居と社が目に入る。鳥居の脇にある馬頭観音は1995年建立と印されており新しく見える姿だった。社は鍵がかかっていて中の様子を見ることはできなかった。クルマユリだろうか、大きなユリの花が参道脇に咲いていた。神社が見つめる先にある沼へと続く小道を歩いた。すぐに沼にたどり着いた。曇り空の下、沼が眼前に広がり、その先には先ほど高架下をくぐった高速道路が水平線となってあった。車が行き来していた。

歩き回るような場所は少なく、湿地帯となっていて藪に入ると埋まってしまいそうだった。小道を戻ると沼の姿は沼を取り囲む木々や草花に隠れて見えなくなる。そこだけぽつんと取り残されたような場所だった。

自転車をこぐ。すぐに雨粒が落ちてきた。雨脚は徐々に強くなる。たまねぎ畑で作業をしていた農夫たちが慌ただしく片づけているのが目に入る。天気予報ではこの日は曇りだったので通り雨だと楽観視しながら雨雲を追い越そうとペダルに力をこめる。雨脚は収まらず風は向かい風となって自転車を押し戻し続けてくる。周囲に何もない農道をこぎ続け、時折すれ違う自動車の運転手と目と合う。油断して雨合羽は持ってきていなかった。止まない雨はウェアを濡らし、足の動きにブレーキをかける。膝だけは冷えないように時折さすりながら道を急ぐ。

北広島まで一時間弱かかる。千歳川を渡ってしばらくした途中でロードが2台、連なって追い越していった。雨に当たって冷たい思いをしているのは自分だけではないことに安心する。雨は本降りとなった。無心で進む。風景が雨粒に霞む。大曲にある大型商業店舗の駐車場でしばし休憩し行動食を食べると体に力が戻ってきた。一息ついていると雨脚は弱まったような気がする。里塚霊園を抜けて山道を漕ぎ続ける。女学生が山に向かって雨の中を自転車に乗っていた。しばらくしてから引率の教員のような男性に彼女らの所在を尋ねられ、その先にいた若い学生の集団を見つけてなんとなく目的を想像して納得する。

滝野スズラン公園を過ぎて最後の登りを終えたころには雨はすっかり上がっていた。長い下り坂でウェアが多少軽くなったころに自宅にたどり着いた。往復の景色に何が見えたのだろうか。

翌週、江別情報図書館にリファレンスを依頼した。図書館司書の方に丁寧に調べていただいてこの沼の信仰の一端を知ることができた。神風が発端となった物語がそこにあった。

2018/8/19

更新履歴
2017/12/10 記載
2018/09/05 その他記載
2018/09/08 写真掲載
2018/08/19
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