夢に現れた大蛇と神明町徳山大明宮にある桂の木
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北海道庁編「北海道の口碑伝説」1940 日本教育出版社
徳山大神宮の本殿の横に、樹齢500年の桂の木がある。
昔、このお宮の別当白鳥氏の夢に、ある夜白髪の翁が現れた。その翁が言うには、「私はこのバッコ沢の奥に住む大蛇である。この沢を出て海に行き、やがては天に昇り、龍となりたいと常々思っているのだが、あの桂の木が大きくて枝が邪魔となり出られないでいる。どうかあの木を切ってもらえないだろうか。」しかし、大蛇が大海に出る時には必ず、雲を呼び大雨を降らせて大洪水となり、その波に乗って出るというので、別当は大蛇を海に出してやりたいとは思うものの、洪水で町が流されては大変なので、遂にこの木を切らなかったのだという。
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