#044 / 釧路市 春採湖 龍神の祠

昭和10年に建立された龍神の祠がある

住所
釧路市 春採湖
緯度、経度
42.972428, 144.407594
※あくまで目安であり正確な情報ではない場合がありますのでご注意ください
由来

昭和9年に秋田県から吉岡センさんという39才の女の行者が、現れた。

この行者は、竜神の住む釧路の春採湖が荒れてひどく汚れているので、守りを清めるようにとのお告げがあって来釧したのだという。吉岡さんは早速春採湖畔で毎日のように水行をしてお祈りを行い、最もよく湖を見渡すことのできるところに、昭和10年小さな宮を建てて龍神を祭った。当時は祠程度の小さいものであったというのがこれが現在の春採竜神の始まりである。

「春採湖」共同調査団「春採湖」1974 釧路市
参考資料・情報など
現地確認状況
2019/04/30 確認済
その他

夜行バスに乗って道東方面の調査に出かけた。釧路まで夜行バスで5時間ちょっと、函館行きのバスほど豪華ではないものの5時間の道のりであれば我慢できる。 運悪く一列3席のシートの先頭真ん中で最も居心地が悪かった席だと思われるが、それでも早朝の釧路に到着するまで熟睡することができた。 次回から夜行バスに乗る際にはネットではなく、窓口でしっかり座席を指定しようと心に決めた。

GW、早朝5時の釧路駅前は閑散としている。コンビニすら見つけられず、まだ駅のシャッターも降りている。 同じバスの乗客が迎えに来た乗用車に乗って散っていく。北海道、札幌から来たというのに体感気温がずいぶん低い。 春採湖がどちらにあるのか、駅前にある案内図を見ながら四方を確かめた。うだうだとしているうちに駅のシャッターが開いて、まばらに人々が駅に吸い込まれていく。 当初の予定通り、カメラや三脚以外の道具を駅のロッカーにしまうことにした。 多少身軽になってトイレも済ませて気持ちが沸き上がってきた。寝ぼけていた頭も鏡ごしに自分の姿を確認することで目が覚めた。ザックを背負った自分の姿を鏡越しに一枚社員に撮った。 二度と見ることのない写真。人は簡単なことで気分が変わるものですっかりやる気になってきた。

駅から釧路川まで平坦な道を歩く。大きな橋を渡る。釧路川は穏やかで朝陽が水面を照らしている。海鳥が鳴きながら通り過ぎてゆく。廃船らしき船が手前にみえることで、街に哀愁を感じてしまう。海が近そうだ。 途中、コンビニによってコーヒーを買う。飲みながらしばらく歩いて春採湖にたどり着いた。崩れかけた桟橋に思わず写真を撮りたくなる。この旅初めての撮影。写真を風景に撮らされたかもしれない。 鳥を撮影しているおじさんとすれ違ってすぐにハルトルチャランケチャシがあった。その丘に登ると春採湖を一望できる。目指す場所は対岸にある。目星をつけて歩き出す。 三脚を新調し軽くしたおかげで以前よりも荷物が軽い。朝の散歩をしているジャージ姿の人たちと会釈を交わしながら快適に歩行する。 朝すれ違う人たちは皆すがすがしい顔をしている。

場所は不安があったものの、調べてあった通りの場所、チャシの対岸の丘の上にあった。 龍神の祠近辺の木々が鴉の巣になっていて、始終鴉の鳴き声を聞きながら祠と対面した。 正確な由来はまだわかっていないが、昭和初期に作られた祠のようで、あたりはきれいに整備されている。祠のご神体は小ぶりな鏡のようだ。 釧路叢書 第15巻「春採湖」共同調査団/編に詳細が記載されているとのことで、近々あたってみよう。 (https://kushiro-x.at.webry.info/201901/article_1.htmlにその記載がありました)

晴れ渡った初春の風を受けて眼下に広がる湖を眺めつつ、その雰囲気をじっくりと堪能できた。一日居ることができそうなぐらい気持ちの良い風が吹いている場所だった。 汽水湖である春採湖は都市に隣接するいくつもの自然と同じように、生活排水などで汚れてしまった歴史を経て今回復の途上にあるようだ。 いつまでもこの景色がこのままであってほしいと願う。 ここから駅に戻る道が遠く、大いに予定が狂い、バスに乗り、挙句レンタカーを借りるのに結局タクシーに乗ってしまった。 釧路ぐらいの都市の大きさでも検索してバスに乗り継ぐのは簡単にいかなかった。 以後、なんでもWebで検索してたどり着けるかと思いきや、Webの外側にある世界のほうが限りなく広がっていることが体験できる短くも貴重な日々が始まった。 ボロいヴィッツをレンタルして意気揚々と厚岸町 バラサン岬の国泰寺の龍王殿に向かった。

晴天で暑い。 (2019/5/8)

更新履歴
2019/05/16 由来1追記
2019/05/08 写真掲載、そのほか追記
2016/10/01 記載
2019/04/30
2019/04/30
2019/04/30
2019/04/30
2019/04/30
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