#025 / 上ノ国 大澗ノ崎の竜灯

太平山や夷王山から不思議な竜灯が上がり、満潮の夜は大澗岬の大人の穴から太平山の洞穴に通じる道を通る

住所
檜山郡上ノ国町 大澗ノ崎
緯度、経度
41.809879, 140.095109
※あくまで目安であり正確な情報ではない場合がありますのでご注意ください
由来

[竜灯]

竜灯といって不思議な灯が上る話も多い。上ノ国の太平山の山祇神のところに竜灯が通う話があり、不思議な灯が夷王山に登った人が竜灯の上るのに会い、シャンシャンとお神輿の渡るような音が次第に高くなり、厳かな気配に圧されて頭を上げることができず、そのまに竜灯は八幡野のあたりをユラユラとゆれ動いていったという。また暁に海辺へ向かう竜灯は飛ぶように早かったという。竜神は満潮の夜は大澗岬の大人の穴から太平山の洞穴に通じる道を潮にのって通ったというが、昔一人のアイヌが、ほんとうにその穴が通じているか試すため、穴に犬を追い込み自分だけ逃げ帰ろうとしたところ、大蛇に会って気絶したそうだ。

須藤隆仙「北海道の伝記」1971 山音文学会
由来3
北海道庁編「北海道の口碑伝説」1940 日本教育出版社
由来4

 大澗ノ崎には窓岩があり、この穴に上が階段のようになっていて「神の道」と呼ばれている。


 この「神の道」から夜更けに不思議な燈が上がるが、これはいわゆる「龍燈」で、海の神 「龍神」が太平山の山の女神に逢いに、「龍燈」となってシャンシャンと八幡牧野を通っていくという 伝説がある。数年前まで実際に沖合から「龍燈」を見たという人がいた。


 また、アイヌが太平山の洞窟に犬を放つと、犬は大澗近くに現れたといい、小森の太平山の 噴火口といわれている洞窟には満潮の夜には小蟹が戯れ、海草が付着していたという話もある。

■伝説「神の道」 | 上ノ国に伝わる伝説 | 北海道上ノ国町
参考資料・情報など
北海道の伝記
須藤隆仙「北海道の伝記」1971 山音文学会
北海道の口碑伝説
北海道庁編「北海道の口碑伝説」1940 日本教育出版社
北海道上ノ国町
■伝説「神の道」 | 上ノ国に伝わる伝説 | 北海道上ノ国町
現地確認状況
確認済
その他

2017/5/13の夜、札幌から上ノ国町の道の駅に到着する。22時をまわっており周囲は暗く人影はない。 風が強く吹いて、停車している車が吹きつける風に揺れ続ける。吹き付ける風の強さと運転の疲れから、すぐ傍にあるという散策路を探す気力もなく仮眠を取る。 風の音に混じって携帯ラジオからか細く聞こえる音楽に耳を傾けながら夜明けを待つ。


明朝も強風はおさまっておらず、余計に強くなっているようにも思えるほど吹いている。 身支度を整えてカメラを準備して車を出ると、朝の風に全身が包み込まれて5月の中旬だというのに寒さに縮み上がってしまう。 道の駅の海側にある散策路が目に入る。岸壁の奥に続く年月を重ねたことがわかるコンクリートの階段を下って行くと、すぐに目的の窓岩があり、その上に立つ鳥居が目に入る。 あいにくの強風で空はどんよりと重たい曇り空だったが、静寂の中で見るそれは十分に過去から現代へと何かを運ぶ窓として今も尚存在しているように感じた。

更新履歴
2016/10/01 記載
2017/05/12 由来4を追加
2017/05/12 由来2を削除(※#059 / 上ノ国町 夷王山の雨乞いに移動)
2017/05/15 その他を記載
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