#131 / 旭川市 龍乃湯温泉

「温泉が出る」という龍神のお告げを発端にした温泉

住所
旭川市東旭川町上兵村19
緯度、経度
43.778384, 142.442690
※あくまで目安であり正確な情報ではない場合がありますのでご注意ください
由来

龍神様のお告げで開業

龍乃湯 龍乃湯温泉はJR東旭川駅から歩いて10分ほどの場所にあり、泉質は希少価値の高い鉄冷鉱泉。〝神秘の湯〟と呼ばれるゆえんは、温泉が発見されたときの逸話にある。この温泉の敷地は、「隼(はやぶさ)特攻隊」の隊長として活躍して〝軍神〟とまで呼ばれた加藤建夫(故人)の生家の跡地。そこに小作に入り農業を営んでいた寺林為治(故人)の長女・百合子(当時24歳)が1949年の夏の夜、龍神が登場する夢を何度も見る。百合子は夢のなかで、この土地には龍神様が存在し「人助けとなる温泉が出る」とのお告げも受ける。

 しばらくして、自宅のポンプの鉄管から妙な音が聞こえてくるので萬台寺(東7条2丁目)で見てもらったところ、「足の痛い子に井戸を掘らせろ」とのお告げ。為治が5人の子供たちに「誰か足が痛い者はいないか」と尋ねると、次女の智枝子が「2、3日前から足が突っ張っている」と言うのだ。為治は「おまえの好きな所をスコップで掘ってみろ」と促し、智枝子が恐る恐る雪を掻き分け水田の角を掘ってみると、そこから出てきたのが濁り水だった。

 当初は当時15歳だった智枝子が2、3人が入れる寺林家の風呂に注ぎ、湯を沸かして家族で入っていた。やがて近所の人が〝もらい風呂〟に訪れるようになり、「ただでは悪いから」と代金を払うようになったことがきっかけで始まったのが「龍乃湯」。当初は納屋を改装し営業していたが、萬台寺のある新旭川地区からは団体で連日二十数人が訪れ、人気が人気を呼び、やがて宿泊施設を建設するまでに発展する。

東旭川の「龍乃湯温泉」突然の休止 – 月刊北海道経済
参考資料・情報など
月刊北海道経済 – 創刊50年を迎えた総合月刊誌
東旭川の「龍乃湯温泉」突然の休止 – 月刊北海道経済
現地確認状況
2017/11/04 確認済み
その他

2017/11/04(土)、エア・ウォーター物流という会社の目の前に目的の龍の湯温泉はあったが無関係のようだ。 休業中と思って訪ねたが、営業再開しており、駐車場には車が何台も停車していた。煙突から煙が立ち上っている。 銭湯のようなものかと思っていたが、宿泊施設もある立派な温泉旅館だった。 建物の周囲をぐるっと回って龍神さんの痕跡を確認する。煙突からは煙が相変わらず立ち昇っている。この日の朝降った雪がとけて屋根から勢いよく流れ落ちている。 脇にあった古い戸建ての庭越しに赤い鳥居と祠が見えた。 もと来た場所に戻る途中に、たぶん湯を炊く薪にするのだろうか、廃材を積み上げた倉庫のような建物の脇で作業するおじさんが作業していた。 声をかけて龍神さんとの関係について尋ねると、この辺りの昔のことを丁寧にやさしく教えてくれた。 この辺りの地域の水は赤褐色でタオルをつけると赤く染まってしまうのだという。竜神さんとの縁は先代があったようだが自分には良く分からないと笑顔で答えてくれた。

先ほど見えた鳥居や祠を見に行く許可を得て、建物の裏側に見えていたその龍王神社に立つと、丁寧に手入れされていることが分かった。年に一度神主さんを招いて催しを行っているのだという。 小雪ちらつく中で竜神さんの像を見ると、今までに見たことのない、龍と一体化した石像が正面の祠にあり、右手の祠には賽銭箱の奥に金色の龍の姿が見える。 屋根からの雪解け水が大きな音を立てて石を打つ。廃棄口から湯気があふれ続ける。煙がもくもくと、温泉の湯の温かさを象徴するように立ち上り続けている。 次回は泊まりに来よう。会話させてもらったおじさんに挨拶をしてその場を離れた。

休業中と記載していましたが、現地で確認したところ建物老朽化により一時営業停止していたが、今年の春から営業再開しているとのことでした(2017/11/09)。

更新履歴
2016/11/21 記載
2017/11/09 その他追記
2017/11/09
2017/11/09
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