3番札所の前の龍神池の上に龍神社がある
本堂に向かって右から、妙龍寺新四国八十八ヶ所霊場を巡拝する事が出来ます。一山を巡って1時間程の道のりで、龍王門のところに下りて来ます。山内には、3番札所の前の龍神池の上に龍神社、86番札所の上には豊川稲荷社が有ります。浦河港を見下ろす山頂に波切り不動尊尊、矜羯羅童子、制多迦童子、大龍宮神王が奉安されていて、海の安全を見守って下さいます。
剣山 妙龍寺
昌平丘陵地の妙龍寺は大正末期の頃、地元の或る名主が双子を育てていたが一子が病気で薬石効なく他界してしまった。当時双子は一子が欠ければ他子も後を追うという風習から当時室蘭に居住していたいた妙道という人を懇願し、他子が恙無い人生を送ることを願って大師堂(弘法大師を祀る)を建立した。その後、通称”蛇の巣”と呼ばれていた現在地に移すことになり、山門を建立したおり、突然、海の彼方から竜が天井に昇天するのが見え、十数人の建立協力者が”あれよ、これよ”と動く方向を見つめていると山門に向かって飛来し上空うを二転するや、再び海の彼方に消え去っていったが、その霊威のあらたかさに人々は感激し、寺院号もかかる由来から冠せられたという。 又、双子とのうち残された一子も加護により恙なく人生を全うしているという。昭和二七年頃(一九五二年)にこの地方を襲った十勝沖地震の大惨事のおり、この寺院のみが一つだに被害がなかったことから改めて人々は霊威に感得したという。
小林成光「北海道縁起物語」1992/5/1有限会社 小林興業社 P220