#120 / 様似町 ガンビ龍神小祠

様似町 ガンビ龍神小祠

住所
様似町字幌満
緯度、経度
42.15719, 143.04571
※あくまで目安であり正確な情報ではない場合がありますのでご注意ください
由来

ガンビ龍神小祠

所在地 様似町字幌満

祭神 龍神

交通機関 松岡沢から幌満ダムへ行く林道の峠(標高447m)

由緒 霊験あらたかな雨乞いの神として信仰されている。日本電工は幌満ダムの水位が低下すると雨乞いに行ったといい、また女性が参詣したり鉈で神木に傷をつけると必ず雨が降ると伝えられる。林道を開く際、神木伐採計画がもちあがり、人夫全員が作業を拒絶した為、迂回路をつくり神木を伐らなかったという。平成三年六月七日、神木が折れたので、根城勇・安原敏夫が中心となり町教育委員会の協力も得て、小詞を建立した。

参考文献 「新様似町史」

北海道神社庁誌編纂委員会「北海道神社庁史」北海道神社庁 1999
由来2

龍神(ガンビの神様)

ガンビの神様の由来

いつの頃からか「ガンビの神様にお願いすると雨が降る」との言い伝えがあり、水とお金に霊験あらたかな神様として町民に崇敬されている。

しかし、その実態や因縁についてはあまり知られてはいない。また、所在についても一部の人しか知られていない。

その場所というのは、……国道から田代・新富の松岡沢を経て、幌満ダムへの大泉林道の峠(ピンネシリ岳登山口)20.6Km地点に、根元が大きな洞穴になっている白樺の大樹があり、注連縄(しめなわ)が飾ってある。

ガンビの神様は水とお金に縁のある神様で、その御神体は「龍神」といわれている。

郷土史研究会が聞き取り調査した中で、事実とされるものを紹介する。

この「龍神」(女の神様)はこの場所にお祀りするようになった経緯(いきさつ)年代については不明であるが、女の神様だけに女性が参拝するとたちまち霊験あらたかとなり、雨が降るといわれている。

※日本電工株式会社では、東宝電化株式会社時代から幌満ダムの水位が下がると、ここへ来て雨乞いの参拝をして霊験あらたかな雨恵待つという。

※当時、栄町に住んでいた前川さんのお婆さんが、この「龍神」を信仰していたことから、時折参拝していたが、その都度雨に降られて困ったという。

※旱魃(かんばつ)の折り大木の神に降雨をお願いし、大木に鉈(なた)で疵(きず)をつけて来ると必ず雨が降るという言い伝えがある……(古老の話)

※大泉林道工事の予定では、この木を切り倒して道路を付ける計画であったが、工事作業員全員から「この木を切っては仕事をせぬ」との申し出があったので、計画を変更して神木を切らずに道路を迂回して現在の林道になったという。

このように信仰の厚い人たちの体験と親しみの中から、いつの頃からか「龍神」を俗にガンビの神様、または雨乞いの神様と呼ぶようになった。

1991年(平成3年)郷土史研究会が、東京開山講(アポイ岳、神居山信仰団体)鈴木光氏の協力を得て調査した結果、「龍神(ガンビの神様)」と「神居山(アポイ岳)」との関係について解明することができた。

「龍神」「神居山」は、まったく関わりのない別のものであることが分かった。それだけに「龍神」についての動機、年代については不明である。

◎1963年(昭和38年)6月……東京開山講(アポイ岳、神居山信仰団体)の3氏が、アポイ岳山頂に小社を建立し参拝した折りに、神居山の神様から「龍神」にも参拝するようにとの御神勅があったので、翌日3氏によって「龍神」への初参拝したと記されている。

長い間参拝する人もないまま忘れ去られようとしていた「龍神」を東京開山講によって「龍神」は「神居山」の仕え姫として信仰の再興が図られた。

◎1965年(昭和40年)7月……東京開山講の6氏が来町し、山案内人を依頼し「龍神」に参拝し、様似町の発展と安全を祈願したと記されている。

以来、天候の不良、列車の延着などで日程の合わなかった時以外は必ず参拝している。

◎1974年(昭和49年)10月……東京開山講の新井牧太郎氏が、孫の書道家である新井富士子さんの筆による「龍神」(俗にガンビの神様、または雨乞いの神様)の高札をガンビの大木の傍らに建立したと記されている。

◎1979年(昭和54年)10月……「龍神」へ参拝した折りに往年の白樺(ガンビ)の大木は腐食のあまり風雪で倒されて、実に哀れな姿になっていたという。さらに6年後……

◎1985年(昭和60年)5月……東京開山講の鈴木光氏が一人で「龍神」を参拝した折りに、「龍神」に初参拝して以来22年の歳月を経た今、一層無残な姿の御神木になっていたという

◎1990年(平成2年)……そんな折りも折り、長い間放置されたままになっていた「龍神」を見かねた様似在住のの信仰者から、お宮を建立したいという話が持ち上がった。

◎1991年(平成3年)6月、様似町郷土史研究会、龍神信仰者一同の協力を得て、東京開山講の名において元の鎮座所より大泉寄り約30m登った熊笹の茂みの中に、桧造りで銅板葺き屋根の新しい「龍神」小社が建立された。

しかし、登山者をはじめ一般の人たちが参拝しにくい場所と思われるので、平成4年に大泉林道際のピンネシリ登山口に、「龍神」遥拝所の小社を建立する計画をしている。

資料提供者 東京開山講 鈴木光氏

聞き取り資料 様似町郷土史研究会

記 様似郷土館

羽立 豊春

平成4年2月

「神居山神社(アポイ岳) 龍神(ガンビの神様)」
参考資料・情報など
北海道神社庁史
北海道神社庁誌編纂委員会「北海道神社庁史」北海道神社庁 1999
「神居山神社(アポイ岳) 龍神(ガンビの神様)」
様似郷土館「神居山神社(アポイ岳) 龍神(ガンビの神様)」1992 様似郷土館
現地確認状況
確認済み
その他
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更新履歴
2016/10/24 記載
2017/09/18 由来2記載
2017/09/09
2017/09/09
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