#026 / せたな町 うぐい沼の龍神

龍神に頼まれて沼の桂の木を切り倒すと龍神は天へ昇り、渡島南部の沼に引っ越したという

住所
久遠郡せたな町北檜山区愛知 浮島公園
緯度、経度
42.397989, 139.897085
※あくまで目安であり正確な情報ではない場合がありますのでご注意ください
由来

今はぷかぷか浮いている島だが、昔は中の島といい沼の底にくっついていたという。

アイヌの人たちは沼が結氷すると氷の上にそれぞれ小屋を建て、氷に穴を開けてウグイを採っていた。

この小屋を、昼の間だけ使って夜は絶対に使わないという決まりがあったが、ある若者が禁を犯して小屋に一晩泊まってしまった。

いよいよ日が暮れだすと、静かだった空に雷鳴がとどろき、雨も激しく降ってきて、ついには竜巻がおきてしまった。竜巻は若者の仮小屋を巻き上げ、その若者はすぐそばの桂の大木にしがみついていた。そのうち竜巻は沼の中央の島を空高く巻き上げ、島は空中でぐるぐると回り始めた。

すると、沼の中から龍神が現れた。龍神が言うには、「この沼に何百年も住んでいて、この沼が窮屈になったので広い沼に移りたいが、その桂の木が邪魔になってどうしても出られない。今日も竜巻を起こし、その勢いで抜け出そうとしたが、やはりだめだった。桂の木を伐ってくれないか。」

若者は龍神の願いを聞き入れ、桂の木を切り倒した。すると龍神は天へ昇り、渡島南部の沼に引っ越していった。そして、以来中の島は浮島となった。

うぐい沼(浮島公園)の龍神:せたな町(旧北檜山町) | 函館・道南の歴史・伝説 | 遊ぶべ!道南探検隊
参考資料・情報など
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現地確認状況
確認済み
その他
2017/5/3訪問。小雨交じりの道を乙部町から一路向かう。途中から道のりが豊頃町の兜沼公園に向かった時と似ているように感じてデジャヴに浸る。 天候も昨年兜沼に行った時と同様に強風、小雨。行楽にはまだ早い季節はずれの公園は閑散としていた。駐車場からもうぐい沼が確認できる。身支度を整えて沼の周囲を散策する。 公園として整備されていても人気のない散策路を歩いていると獣の気配に注意をしてしまう。雨にも関係なく、野鳥の声が森の中を木霊する。 水鳥たちが人の気配を敏感に察知して水面から幾度か飛びたっていくのが見えた。 視界に小屋が飛び込んできた。看板には「浮島龍神搭」とある。 鍵が開いていたので失礼して中を覗いてみると浮島伝説の由来を書いた看板や、大きなしめ縄、龍にまつわる昭和に作られたと思われる飾り物の龍が幾つも陳列されている。 地元の有志によって管理されているように思えた。地元の人々に愛されてこの場所があることが伝わってくる発見だった。 このあと日帰り温泉に立ち寄って冷えた体を温め、札幌にあるのと同じ名前の真駒内川を拝むことができた。短い時間だったが良い時間だった。
更新履歴
2016/10/01 記載
2017/05/17 その他追記
2017/5/13
2017/5/13
2017/5/13
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