#241 / 遊楽部岳山麓の飛龍の沼

遊楽部岳山麓の飛龍の沼

住所
〒049-4755 北海道久遠郡せたな町北檜山区富里 遊楽部岳
緯度、経度
42.268245, 139.998223(遊楽部岳登山口)
※あくまで目安であり正確な情報ではない場合がありますのでご注意ください
由来

飛龍の沼

遊楽部岳の山麓に沼があったが、大正年代にその沼口が破れて水がなくなってしまった。

昔、ある人が春に山狩りに行って、これまで見たこともない大きなクマの足跡を見つけたが、クマの跡を追うよりも、こんな大きな熊の入っていた穴を見つけて、自分の所有にしようとして、熊の歩いてきた方へ足跡をたどって行くと沼に出た。その沼に近寄ってみると沼ぶちの残雪の上に、イルカくらいの動物が並んでいるので、

「これは翼のある竜のオウヤカムイらしい、これはとんでもないことになった」

とあおくなって逃げようとしたが、切りたった沢ばかりなので逃げ場所がないのを、やっと木の根や草にすがって山の尾根に出て逃げ帰れたが、連れていった犬はその動物の近くに行って、それきり帰ってこなかった、おそらくオウヤカムイという飛竜の毒にあたって盲になり、沼にでもおちて死んだろうということだったが、その人も間もなく死んでしまったので、この沼には近寄るなといわれていた。

沼が破れたので飛龍も海に下ったのだろうと、シクシレという老人が話してくれた。(八雲・椎久トイテレケ翁伝)

更科源蔵「アイヌ伝説集」1976 みやま書房
参考資料・情報など
「アイヌ伝説集」
更科源蔵「アイヌ伝説集」1976 みやま書房
現地確認状況
未確認
その他

更新履歴
2022/3/20 記載
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